丁度10年前の4月から朝日新聞の一面で始まった鷲田清一氏による折々のことばが今朝(10月27日)で3508回目を迎えました。連載が始まった頃は掲載される言葉がグイグイと刺さってきて、切り抜いてはスクラップ帳に保存して来ましたが、近頃は肯ける言葉が少なくなり切り抜くことも減ってきました。これは多分に受け止める側の問題だろうと思います。言葉は生き物です。そして自分と共に変化していきます。かつてあれほど胸打った言葉が全然響かなくなることはよくありますし、その逆もまた然りです。ですからいつまでも変わらず残っている言葉こそ自分の血肉になっていると言えるのでしょう。高二の現代国語で出会った中島敦『山月記』の「尊大な羞恥心と臆病な自尊心」。未だに深く刻まれた言葉です。ひょっとするとこの言葉をどう受け止めたかが、結構その後の人生に影響するのではないかとさえ思います。感受性を乾かさないでよい言葉で出会えますように。
△ 日曜法話会 9日 午後2時から
△ 土曜坐禅会 1日・15日 午前7時~
△ 日曜坐禅会 9日・23日 午前7時~
△ 暁天坐禅会 毎朝5時~6時
△ 写経会 お休み
今 月 の 言葉
水を掬すれば月手に在り
花を弄すれば香衣に満つ
【禅林句集】
定めなき浮き世の中と知りぬれば
何れも旅の心地こそすれ 【世語集】