この頃あまり見かけなくなったもののひとつに、「日めくり暦」があります。年の初めには分厚かったこの暦も、年の瀬にはすっかり薄くなってしまい、子供心に一年の終わりを実感したものでした。かつての我が家では毎朝、柱時計のネジを巻くこととこの暦を一枚めくり取るのは祖父の役目で、私たち子供には絶対させませんでした。そこには昨日の無事に感謝し、今日の安寧を祈念する家長としての思いが込められていたのではないでしょうか。「一大事と申すは今日只今の心也」と白隠禅師の師匠、正受老人は説いておられますが、日めくりカレンダーは「過去は追わず未来は求めず、ただ今日を精一杯生きよ」との無言の教えだったのかなぁと、懐かしく思い出したことでした。
△ 土曜坐禅会 4日・18日 午前7時~
△ 日曜坐禅会 12日・26日 午前7時~
テキスト『正法眼蔵随聞記』
△ 暁天坐禅会 毎朝5時より6時まで
△ 写経会 当分の間お休みします
今 月 の 言 葉
長天夜清きこと鏡の如し
萬里雲無うして孤月円かなり 【禅林句集】
身を削り人をば救うスリコギの
この味わいを知る人ぞ知る 【世語集】