芝増上寺の門前の日新窟というお寺に居られるベトナム人尼僧釋心智(ティック・タム・チー)師は、在日ベトナム人仏教信者たちの心のより所になっています。近年増えているのが技能修習生という名目で働きに来ている最中に亡くなったベトナム人の供養だそうです。これはベトナムの若者が夢を抱いて来日しても、過酷な労働状況のなかで低賃金で働かされるなかで事故や病気で亡くなったり、あるいは挫折し自ら命を絶つ事も増えているそうで、そんなかれらの遺骨の返還などに奔走しておられます。昨今テレビでは「日本すごいですね~」と日本礼讃番組が増えていますが、彼ら技能実習生を人間扱いしない経営者も少なくないとか。学生時代に寝食を共にしたことのあるベトナム人僧侶は、パリ大に留学後、禅の修行のために来日したとても優秀な方でした。ベトナム解放直前に難民として渡米し、現在はテキサスでベトナム寺院を守っていると聞いています。「日本だけが単一民族の歴史を有する」などと誤謬に満ちた偏狭な政治家がのさばっている限り、彼らに対する偏見は無くならないだろうなと、暗澹たる思いがします。
△土曜坐禅会 1日・15五日 午前7時より
※1日に「坐禅レクチャー」を行います。
△日曜坐禅会 9日・23日 午前7時より
△暁天坐禅会 毎朝5時より6時まで
△写経会 14日 午後1時から
今 月 の 言 葉
功徳の利を失す 忍の德たること、持戒苦行も及ぶ能わざるところなり 【遺教経経】
単一民族という時、日本人の顔、顔、顔がそれを大いに裏切っているのは愉快である。
【茨木のり子】