私はこれまで400人以上の方のお葬式を勤めてきましたが、私より若い方は10数人でそれぞれの方は今でもよく憶えています。一方日本では毎日4〇〇〇人弱の人が全国で亡くなっていますが、その殆どは高齢者であり、コロナ以外で亡くなっている方が圧倒的に多いのです。残念ですが高齢者はより死に近いと言わざるを得ません。今回のコロナ禍は、病床は多いのに医者が足りないとか、普段はライバル関係の私立病院が互いに協力できないといった、医療の様々な問題を明らかにしました。更に私たちが、国民皆保険という世界に誇れる制度を当たり前に思ってきたことにも、気づかされました。気軽に受診できるのは大変有り難いことではありますが、「治す」医療に固執して、「三時間待って病名加齢です」と言われて「年寄り扱いするな」と憤慨したことはありませんか。或いは延命のために濃厚な治療を続けることが、果たして本人のためなのでしょうか。日々報道される感染者数に一喜一憂するのではなく、そんなこともこの機会に考えなくてはと思っています。
△土曜坐禅会 6日・20日午前7時
△日曜坐禅会 14日・28日午前7時
テキスト『正法眼蔵随聞記』(ちくま学芸文庫で入手出来ます)
△暁天坐禅会 毎朝5時から6時まで
△写経会 9日(火)午後1時から
【今 月 の 言 葉】
旧年寒苦の梅 雨を得て一時に開く 【禅林句集】
惜しみても帰らぬものは月と日と
水の流れと人の命と 【世語集】