昨年末に94歳でお見送りした方は横浜翠嵐高校の第一期生でした。この県立高校は「大平凡主義」を校訓・校是としていて、これは初代校長滝澤又市が「名誉や地位などばかりを利己的に求めず、市井の偉人となって世の中のために尽くそう」と教えたことに由来するそうです。私は仕事柄いろいろな方にお目にかかるのですが、高学歴で社会的地位も高い人が、案外内面はツルンとしていたりするものです。世間的な価値観に埋没してしまって話に深みがない、そんな印象を受けることが少なくありません。反対に顔中日焼けして深いしわを刻んだ人、格別の努力を積み重ねたのでも、夢に向かって邁進したのでもない普通の人に教えられることが多いものです。たとえ上に立つ人が「今だけ、オレだけ、お金だけ」という利己主義に陥っていても、偉い人ではないどこにでも居るような「平凡な人」がしっかりと生きている社会はまだ大丈夫な気がしますが…。
△ 日曜法話会 9日 午後2時~
△ 土曜坐禅会 1日・15日 午前7時~
△ 日曜坐禅会 9日・23日 午前7時~
△ 暁天坐禅会 毎朝5時~6時
△ 写経会 11日(火) 午後1時~
今 月 の 言葉
玉は潤う窓前の竹 花は繁し院裏の梅 【禅林句集】
春風に綻びにけり桃の花
枝葉に残るうたがいもなし 【道元禅師】