♪夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る・・・♪
私の生まれ育った古里は静岡の山間の集落で、この時期になると新茶の目に優しい若葉色とむせかえるような匂いに包まれます。殆どの農家が製茶を生業とする村は、この時期に一年分の収入を得るわけですから、村中が活気づいていました。学校にも一週間程の『お茶休み』があり、子どもたちも総出で手伝いをしたものです。残念ながら実家を守っていた兄は十年ほど前に茶農家を廃業してしまいました。山間地で機械化が出来ない中で、追い打ちを掛けたのが需要と価格の低迷です。確かにペットボトルのお茶はよく売れていますが、しかし本当のお茶はやはり茶葉を急須に煎れて飲んでいただきたいもの。『喫茶養生記』という本もあるように、本来の緑茶には栄養もたっぷり。ぜひ急須と湯飲み茶碗で、新茶の味と香りを楽しんで、ゆったりとした気分に浸っていただきたいものです。
△ 土曜坐禅会 7日・21日 午前7時~
△ 日曜坐禅会 15日・29日 午前7時~
テキスト『正法眼蔵随聞記』
△ 暁天坐禅会 毎朝5時より6時まで
△ 写経会 10日(火)午後1時から
【今 月 の 言 葉】
山僧が活計茶三畝 漁夫の生涯竹一竿
【禅林句集】
花繁り合う青葉が上を風吹けば
山さえ動く心地こそすれ 【世語集】