朝日新聞記者を早期退職して、冷蔵庫もクーラーもないミニマムな生活を送っているコラムニスト、稲垣えみ子さんに『老後とピアノ』という本があります。現職の時には気の乗らない仕事をしたり、人と競ったり比べっこしたり、あるいは会いたくない人と合わなければならないことが多々あったそうです。でも残された時間の短さを思ったら、そういう気苦労から解放された生き方をしたいと、退職後40年ぶりにピアノを弾き始めた体験記です。そこに「老後のピアノは完璧な演奏を目指すことでも、人よりも上手に弾くことでもなく、自分の中にある美しいものに火を付けること」といった趣旨が書かれています。良寛さんも「世の中にまじらぬとにはあらねどもひとり遊びぞわれはまされる」と詠んでいます。住職を辞めたら何をするんですか、と尋ねられますが、今の住まいを五合庵とみたてて、私も独り遊びにいそしむとしましょうか。
△ 日曜法話会 14日 午後2時
△ 土曜坐禅会 6日・20日 午前7時~
△ 日曜坐禅会 14日・28日 午前7時~
『臨済録』をよむ
△ 暁天坐禅会 毎朝5時~6時
【今 月 の 言葉】
君看よ此の花枝 中に風露の香ばしきあり【蘇東坡】
極楽も地獄も己が身に在りて
鬼も仏も心なりけり
【禅林句集】