寒の戻りのためか、今年の入学式は本当に久しぶりに満開の桜の下でのお祝いとなりそうです。ひと頃は欧米に併せて秋に入学を移すなどと議論されましたが、いつの間にか立ち消えになってしまったのも、日本人には新しい門出には満開の桜という道具立てがどうしても必要とされているからでしょう。この季節はまた出会いの季節でもあります。新しい場所でどのような人と出会うのか、楽しみでもあり不安でもありましょう。
小林秀雄は「人間はその個性に合った事件にであうものだ」と言ったとか。事件より出会いと言った方が肯けますが、我が身を振り返ってみても、「類は友を呼ぶ」というように、知らず知らずのうちに自分の価値観と合う人との出会いを選択してきたのかと気づかされます。
子を抱いていると/行く末のことが案じられる
よい人にめぐりあってくれと/おのずから涙がにじんでくる
(仏教詩人・坂村真民)
どうかみなさまによい出会いがありますように、と祈らずには居られません。
△ 日曜法話会 7日(日) 午後2時~
△ 土曜坐禅会 6日・20日 午前7時~
△ 日曜坐禅会 14日・28日 午前7時~
△ 暁天坐禅会 毎朝5時より6時まで
△ 写経会 9日(火)午後1時~
今 月 の 言葉
玉春色高下無く 花枝自ずから短長
【禅林句集】
春散る桜残る桜も散る桜
【良寛禅師】