禅は釈尊が説かれた教えを、坐禅を根本として自ら骨折って冷暖自知する徹底した行の宗教である。従って「我らと衆生と共に仏道を成ぜんことを」の誓願も日常底に於いて実践され得るものでなければならない。この観点から成ずべき仏道につ… ▶続きを読む
知って殊更に犯す
唐突ですが、皆さんは悪いと知って犯す悪事と、悪いと知らずに犯す悪事では、どちらの方が罪深いと思いますか。通常は知った上で犯す方が罪深いと考えられていますから、知らずに悪を犯したほうが情状酌量されるようです。しかし私は知ら… ▶続きを読む
「坐禅~呼吸の大切さ」
ベストセラーとなった『声に出して読みたい日本語』の著者、齋藤孝氏(明治大学教授)は身体論の立場からさまざまな提言を行って注目されておりますが、特に「現代人は全体的に呼吸が浅くてストレスをため込む容量が少ない、だから自分に… ▶続きを読む
浅き夢見し酔ひもせず
いろはにほへとちりぬるを わかよたれそつねならむ うゐのおくやまけふこえて あさきゆめみしゑひもせす 手習いの手本として広く用いられてきたこの「いろは歌」ですが、これはまた仏教の教えを上手に織り込んだものとして知られてい… ▶続きを読む
姿勢の持つ力
ケータイからスマホに主流が移ってから、街中でうつむきながら画面に見入って歩く人が本当に増えました。電車の中でも多くの人が、周りには無頓着で黙々とゲームに興じたりメールを打ち続けています。歩きながらや運転中のスマホなど危険… ▶続きを読む
得意淡然 失意泰然
昨年還暦を迎え改めてこれまでを振り返ってみると、赤面することばかりでとても自慢できるような人生ではありません。志望校に合格して有頂天になったものの、いざ入学してみたら雰囲気になじめず学校嫌いになってしまったことや、仕事上… ▶続きを読む
凡夫の自覚
先日のことです。スーパーのレジで、大きな声をあげている老紳士に遭遇しました。なにやら特価品の値段が訂正されないままレジ打ちされたことに腹を立てている様子でした。このように相手の間違いを見つけると、鬼の首でも取ったかのよう… ▶続きを読む
「先祖供養」について
釈尊は侍者の阿難尊者から「世尊が亡くなられたら、私たちは葬儀をどのように執り行えばよいのでしょうか?」と尋ねられたとき、「私の葬儀は在家信者が執り行ってくれる。あなた方出家者は葬儀の心配などしないで、修行に励みなさい」と… ▶続きを読む
戒名をめぐって
最近新聞やテレビで戒名のことがしばしば取り上げられます。それは少なからぬ人が「何のための戒名なのか」、「戒名は本当に必要なのか」等といった疑問を抱いているからです。この背景には現代の多様な価値観や社会の急激な変化によって… ▶続きを読む
永訣は日々のなかにある
平成二十三年三月十一日の東日本大震災以降、全国各地で揺れ続ける大地への不安と、目に見えぬ放射能の脅威は、直接被災していない私たちの生き方にも大きな影響を与えました。極限にまで進歩した科学技術の恩恵によって、根拠のない全能… ▶続きを読む