10月の道友会

住友財閥の二代総理事を務め、別子銅山の興隆に貢献した伊庭貞剛は「事業の進歩発展にもっとも害をするものは、青年の過失ではなく老人の跋扈である」と語り、良き後継者を得たのち58歳であっさり総理事を辞したといいます。「老」には… ▶続きを読む

9月の道友会

 先日亡くなった評論家、山崎正和氏の講演を学生時代に一度だけ拝聴したことがあります。演題は『鴎外 闘う家長』。もう40年以上も昔の話なので話の内容は殆ど憶えていませんが、軍人としても作家としても頂点を極めた鴎外は、逆に挫… ▶続きを読む

8月の道友会

また暑いお盆の季節が巡ってきました。近しい先祖をお迎えして供養する古来からの習俗と仏教とが結びついた日本独特の行事ですが、自分のいのちの来し方を振り返る機会でもありましょう。考えてみれば私たちはこのいのちのバトンリレーを… ▶続きを読む

7月の道友会

私は常々後輩の和尚たちには「法事などで食事の同席を問われたら、できる限り応じなさい」と言っています。一つには我々も皆さんと同じような悩みや苦しみを抱えているということを知ってもらえること。もう一つは雑談の大切さを知ってほ… ▶続きを読む

6月の道友会

住職は文字通り住むのが仕事ですので、この度の巣ごもりもさほど特別のことではありませんでした。ただ大好きな映画館や劇場に行けなかったことは本当に残念でした。そこでインターネット配信の登場です。レンタルビデオしか知らなかった… ▶続きを読む

5月の道友会

コロナ禍で為政者たちの地金が出てしまったようです。彼らはまず言葉で私たちに訴えてくるのですが、大切なのは何を言うかではなく誰がいうのか、どのように語るのかだと思います。テレビで見たメルケル首相の発言はとても説得力がありま… ▶続きを読む

4月の道友会

オリンピックが世界中を吹き荒れているコロナの暴風に吹き飛ばされて延期になりました。そもそもが「放射線はアンダーコントロール」」だの「最適な季節」などと嘘八百を並び立てて招致した大会です。エンブレムの選考や国立競技場の新設… ▶続きを読む

3月の道友会

一年を通じて同じ時刻に起きているので、季節の移ろいをしっかりと感じています。まだ「エィッ」と気合いを入れないと布団を抜け出られませんが、外が明るむ頃合いが日ごとに早まっていきます。私は「春の足音」が聞こえる今の時季が一番… ▶続きを読む

2月の道友会

芝増上寺の門前の日新窟というお寺に居られるベトナム人尼僧釋心智(ティック・タム・チー)師は、在日ベトナム人仏教信者たちの心のより所になっています。近年増えているのが技能修習生という名目で働きに来ている最中に亡くなったベト… ▶続きを読む

1月の道友会

先日ラジオ深夜便で、宝塚在住の作家、高田郁(かおる)さんのインタビューを偶然耳にし、明け方にもかかわらず思わず聴き入ってしまいました。NHKドラマ『澪つくし料理帖』の原作者です。司法試験を10年間受け続けたものの適わず、… ▶続きを読む